中学1年、最初の体育は全員ビンタから始まった

体罰戯言

時代を感じさせる思い出を少し。

時は昔、昭和の中学校は荒れていた。
校内暴力、家庭内暴力、暴走族、ケンカ、いじめ。
大人に反抗することが格好良いと信じていた。
教師も道理の通じないクソガキを力でねじ伏せる。
そんな熱い時代だった。

 

 

初めての体育

校庭

私が入学したのは地元の公立中学校。
小学校の顔見知りがそのまま進学しており、新しい環境にみんな浮足立っていた。

事件は入学1週間もしないうちに起きた。

初めての体育の授業。
体育は2クラス分の男子が一緒に授業を受ける。
45名ほどだったと思う。

みんなついこの前まで小学生。
校庭に放たれれば遊びだします。
走り回るもの、鉄棒にぶら下がるもの、探検気分であちこち歩き回るもの。
始業のチャイムが鳴っても気にもせず。

先生の呼ぶ声が。
しかし多くの生徒が相変わらずキャッキャッと笑い声を挙げながら遊んでいた。

そのとき、校庭に響く怒鳴り声が。

「てめーら!! 集まれって言ってんだろーー!!!」
みんなピタリと足を止めて振り返ります。

慌てて集まるも先生の怒りは収まらず、
「もう子供じゃねんだから俺が集まれって言ったら集まるんだよ!!!」
「分かってんか!! 返事は!! オラ返事はぁ!!! 返事はハイだ!!」

「全員並べぇ!!」

横に4列に並ばされた後、先生はこう言った。

「歯食いしばれ!!」

歯を食いしばる?なぜ?
みんななにが起こるのかまるで理解していません。

・・・そして始まったのです。

一番端の生徒がバチン!!という大きな音とともにもんどり打って倒れます。
ビンタで吹き飛んだのです。
「オラ立て!!、並べ!!」
泣き出した生徒を無理やり立たせて隣の生徒をバチン。

並んだ生徒の前を移動しながらビンタ。
当たりが悪いと「オラ逃げんな!!」でもう一発バチン。

遊んでいなかった生徒にもビンタ。
当時は連帯責任で関係ない人も罰を受けることが多かった。
不条理ですよね。

みんな気をつけをしたまま泣いています。
まあほぼ小学生ですからね。

ビンタとお説教で授業時間の半分が過ぎています。
残りの時間は走らされていたような。
もちろんみんな泣きながら。

 

 

体罰の処分は?

謝罪会見

時代が時代でもさすがに軍隊上がりの先生はいないでしょうが、ベテランの体育教師てあれば兵隊張りの厳しい教育を受けていたはずです。
ところがその先生、ベテランでも中堅でもなく、なんと新任。
大学卒業して先生になっがばかりの新人教師。
つい数ヶ月前までは大学生だった22歳ということになります。
ちなみに日体大。

さて、この後どうなるか想像できますでしょうか。
ワイドショー? 新聞沙汰? PTA殴り込み? 謹慎処分?

いえ、特になにもなかったのです。

次の体育の授業も先生は怒鳴り声で指示を出し、生徒は怯えながら黙って従っていたのです。
当時は体育の授業が近づくと憂鬱でなりませんでした。

他の先生も今であれば問題になりそうな罰を教育の一環として取り入れていました。
授業中に回答を間違えると細く硬い棒で肩をピシャリ!、これを受けると赤く腫れ上がります。
こめかみ辺りの髪の毛をブチブチッと抜いたり、出席簿の角でスコーンと頭を叩かれたり。

部活でも顧問が生徒を叩く蹴るは珍しいことではなく、それは「やらかしたのなら仕方ないこと」だったのです。

もちろん楽しい先生、やさしい先生もいます。
ただ当時の教育の現場では生徒の失敗に対して体罰を与えることがタブーではなかったのです。

 

 

世の中は変化し続ける、これからも

古い校舎

さて、そんな教育環境を普通だと思ってきた子供は今はベテランクラスの上司や先生。
ときには子供の頃に刷り込まれた価値観を持ち出してしまうこともあるでしょう。
それが非常識な体罰として社会的に問題になっている、というわけです。

しかし体罰は世代が一周りしただけで大きく減りました。
体罰ありきの教育を受けていた世代の多くが「体罰は普通である」という価値観を捨てたからですよね。
家庭でも高圧的で罰を与えるしつけな避けられ、それにより暴力でわがままを押し通す子供も減っていく。
殺伐とした中学校は過去の話になりました。
当時の体罰は先生だけの問題ではなく、親と子供も一緒に変わらないと解決しなかったのです。

 

買い物のたびに近所の中学校の前を通るのですが、体育の授業や部活は実に穏やかなものです。
先生の怒鳴り声も聞こえないし、生徒も荒ぶったりせずに言うことを聞く。
あー平和だなぁ・・・と。

で、この話を思い出したと言うわけです。

 

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終末の団地より