貧困団地、孤独死の現場より

暗い団地の台所 団地住人の話

ある日の午前中、出掛けようとすると団地の前に見慣れない人たちが。
どうにも様子がおかしい。
不穏な空気が流れています。

 

 

孤独死の現場

白い社用車のそばにスーツ姿の男が二人。
団地の管理会社の方ですね。
足元を見つめながら何度も大きなため息をついています。

そして警官が一人。
顔が険しい。
1階の部屋をベランダ越しに覗いています。

ああ、またですね。
孤独死です。

汚れたカーテン

警官はベランダの柵を乗り越えカーテンの隙間から中の様子を伺い始めました。
鍵を壊したのでしょうか、しばらくするとゆっくり窓を開け部屋に入っていきます。

おそらく悲しい姿の老人がいるのでしょう。

この団地ではさほど珍しい出来事ではありません。
身寄りもなく、近所付き合いを避け合う独居老人ばかりが集まる団地です。
部屋で倒れてしまうともう誰も気が付けないでしょう。

 

しばらくすると部屋は清掃作業が始まります。
食器が入ったままの棚がそのまま産業廃棄物のトラックに無造作に放り込まれる、そんなシーンは何度見ても世の無常を感じさせます。
本、衣服、家電、机、文具・・・。
トラックに放り込まれるたびに人の気配を失っていきます。

これが人が死ぬということなんですね。

 

 

部屋の状態が極めて悪い場合

団地の畳

発見された方の体が腐敗して臭いを放っていた場合はしばらく入居することはできません。
部屋に臭いがこびり付いているからです。
その際は除臭処理が行われます。
全ての窓に外から目張りをし、通気孔や窓枠などの隙間をテープで塞ぎ、そのまま数ヶ月から半年放置されます。

私が暮らしている棟でも何度かありました。
テープで隙間を塞がれたドアに貼られた「除臭処理中」の紙、窓には目張りの板。
完全密封された部屋の様子はまさに異様。
住人としてはやはり気持ちのよいものではありません。

その後に内装のリフォームが行われてようやく入居が可能となります。

 

 

事故物件

木のシルエット

綺麗にリフォームしたとしても、孤独死の発生した部屋は入居者募集の際に事故物件であることを明記しないといけません。
事故物件として破格の家賃で入居募集されるので、またお金も身寄りもない老人が引っ越してくる。
そして亡くなるまでその部屋で暮らします。
運が悪ければ孤独死。

こうして最下層の団地では死を待つしかない高齢者が集まり静かに消えていくシステムが出来上がっているのです。

 

 

「大島てる」にのらない事故はたくさんある

大島てるスクリーンショット

大島てる
https://www.oshimaland.co.jp/

「大島てる」、事件/オカルトマニアにはお馴染みの事故物件情報共有サイトです。
しかし私の周りでおきた事件は全く記載されていませんでした。

このサイトは第三者が事故情報を投稿しないかぎり反映されないからです。
住人があえて暮らしている場所に負のレッテルを貼るようなことはしないでしょうし、この団地は近所付き合いが乏しいので死をエンタメとして楽しむ層には情報が流れないのでしょう。
嫌がらせを目的とした嘘情報も多いようなので正確とは言えないようですね。

 

 

そんな団地に住んでいます

今この瞬間も近くの部屋で誰かが亡くなっているのかもしれません。
皆さんはそんな部屋で生活ができますか?

私はあまり気にしていません。
大病で死を覚悟した経験があるので「死」を身近に感じるようになっているからでしょう。
誰もが最後は死ぬのです。
最後は消えて無くなるのです。

しかし人生を諦めたわけではありません。
一日でも長く、そして楽しく生きながらえるようにもがきます。
目指せ普通の生活。

 

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団地住人の話
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終末の団地より